(2015.04.06) |
魚料理
- バカリョアーダ ―
森下アンダーソン実砂雄
国際交流員
カーニバル(謝肉祭)から40日間(四旬節)、カトリック教会では肉、卵や乳製品等を使った料理の摂取が禁じられている習慣があります。ブラジルではその習慣が時代と共に変化し、イースター(復活祭)の一週間前(受難週間)から肉料理を食べないこととされていますが、牛肉を多く消費するブラジルの国民にとっては一週間魚料理しか食べない生活がなかなか厳しいと思います。
しかし、この時期になると定番の魚料理があります。その名は「バカリョアーダ」。もともとポルトガルやスペインの料理で、大航海時代にそれらの植民地まで伝わりました。タラ(タイセイヨウダラ)の塩漬けの干物がバカリョアーダのベースとなりますが、具材としてボリーニオ・デ・バカリャウ(タラのコロッケ)にも使われていて、年中に食べることができます。その他、タラの肝油はビタミンAやビタミンDが豊富で、脂肪酸があるため、医薬品やサプリメントとして用いられています。
ブラジルで消費されているタラが北大西洋に生息していますので、輸入品として高い価格で販売されています。しかし、タラ戦争が起きたことをご存じですか?1958年から1976年にかけてイギリスとアイスランドの間、北大西洋でタラの漁業権をめぐる紛争がありました。アイスランドの勝利になったのですが、以降乱獲が増し、特にタイセイヨウダラの量が激減し、現在、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで危急種として指定されています。これは、日本で親しまれているクロマグロと同じ絶滅の危険性を示します。
タイセイヨウダラ
この記事を機に、手で絵を描くことに挑戦してみました。
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