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一円とウン・センターボ

一円とウン・センターボ

 

国際交流員

森下アンダーソン実砂雄

 

 

   今から25年前に「一円玉の旅がらす」という曲が注目を浴びていたかと思います。あの当時、ブラジルの日系社会でもよく流行りました。自分にとっては懐かしいですが、この曲について話すと私の年齢が大体お分かりになりますよね~。

 

   IMG_13122.jpgさて、一円玉は初めて作られたのが明治時代だと思いますが、現行の純アルミ1円硬貨は昭和30年6月から発行されていますので、今月で60年目を迎えます。日本円であるこの1円硬貨は、とても国際的なコインだと考えられます。日本アルミニウム協会(※)のデータによりますと、アルミニウムの「原料である新地金は世界各国から輸入されています。 主な輸入先はオーストラリア、ロシア、ブラジル、ニュージーランド、南アフリカなどとなっております」。ブラジルから輸入されている原料が1円硬貨にも使用されている可能性があるのではないかと思います。

 

   昨年の消費税増税のため1円硬貨の不足が見込まれていたようですが、近年の電子マネーの普及によって予想通りに需要がなかったようです。一方、ブラジルでは、電子マネーがまだ主流ではありませんが、最も単価が低いコインが見られなくなってきました。それはR$0,01(ウン・センターボ)のコインのことです。

 

   現行のウン・センターボは、1994年から2004年にかけて発行され、ステンレス鋼と銅合金の2種類が存在します。それぞれの表面に共和国の女神とペドロ・アルバレス・カブラル(「ブラジル到着者」として知られているポルトガル人航海者)がデザインされています。

 

   では、なぜ流通しなくなったのでしょうか?製造のコストもあるかもしれませんが、大きな原因としては2つ考えられます。一つ目は、現金の支払いの時に、細かいおつりが戻されないことが多いです。場合によって、金額的にお店が損する時があれば、消費者が損する時もあります。二つ目は、同じく現金払いの時に、細かいおつりの代わりに飴やキャラメルをお店に渡されることがあります。消費者としては納得できませんが、ブラジルへ行かれる方はこれを念頭に置いてお買い物された方がいいと思います。

 

   日本の一円でも、ブラジルのウン・センターボでも、大切に使いましょう。

 

 

(※)http://www.aluminum.or.jp/basic/japanindustry.html

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