(2017.02.22) |
アメリカにこんな動物がいるって、知っていましたか? 第2回 ハヤブサとファルコン・カメラ
ハヤブサというのは、日本にも生息している鳥類で、英語でいうと「peregrine falcon (ペレグリン・ファルコン)」です。成体の翼幅は約1メートルです。世界で最も速く飛べる鳥で、最速で約322k/hで急降下します。
また、猛禽類であるハヤブサは、主に他の鳥とコウモリを捕獲します。空を飛びながら捕食するのはハヤブサの一つの特徴です。
さて、アメリカのハヤブサの何がユニークでしょうか?それは、ハヤブサではなく、アメリカ人のハヤブサへの視線なのです。アメリカの多数の場所で、ハヤブサの巣や成長していくひなを動画にし、ライブでネットに届くFalcon Cam(ファルコン・カメラ)が設置されています。
ハヤブサはできるだけ高い所で巣を作りたがるので、人間が作った高いビルの屋根がハヤブサから見ては巣を作るのにちょうどいい場所でしょう。また、ハヤブサは一回場所を選んで巣を作れば、毎年同じ場所で作るようになることが多いです。そのため、アメリカ人はビルの屋根にハヤブサが巣を作ったことが分かったら、カメラを設置し、次の年に巣が作られているのも、ひなが孵化するのも、録画することができます。
私が卒業したマサチューセッツ州立大学アマースト校の図書館の屋根では、2003年から毎年ハヤブサが巣を作り、ひなを育ててきました。2012年にファルコン・カメラが設置され、毎年の4月中下旬ごろから、図書館のサイトでハヤブサがライブで放送されます。他にもアイダホ州、ニューハンプシャー州、ニュージャージー州、オハイオ州など、様々な州で同じようなファルコン・カメラが設置されています。
自分で動くことすらできず、餌をもらうまで鳴く小さなひなが、ふわふわのうぶ毛からシャキッとした羽衣に成長し、自分で空を飛べるようになることを自分の目で見ると、自然の野生動物であっても、とても身近に感じます。しかも、ファルコン・カメラがネットで放送するので、日本からでも、子ハヤブサの成長を見守ることができます。
今年の春は、ぜひファルコン・カメラをご覧になってみてください。
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